『文学極道No.2』を読んで

過日、文学極道で注文した、『文学極道No.2』がこの週末届きました。

個性的な作品が多く、とても一息に全部読み通すことはできませんが、なんとかざっと目を通しました。
とりあえずの第一印象を記録に残しておきたいと思います。
まだ批評ができるような器ではありませんので、感想に留めます。

コントラさん

完成度の高い、精緻な世界を築かれる方だと感じました。『学校にはいなかった/ホンジュラスの海の底で』が印象に残りました。

りすさん

『プロポーズ。』はとても読みやすく面白い語り口で、読んでいて幸せな気分になれました。
『モモンガの帰郷のために』動物を擬人化した作品は他にも見られ、りすさんらしい作品なのだろうと感じました。その中でもこれは、滑稽な感じがしながらも深みがあって、好きになれました。

まーろっくさん

『カン・チャン・リルダの夜』『灯台』いずれも首尾一貫したテーマで描かれ、情感に富み、優れた作品だと感じました。

Canopusさん

なんとも独特な、特撮ヒーローの世界です。こんなに自由でいいのかと思うぐらいです。でも、とっても面白くて、なんだか所帯じみていて笑えます。

ikaikaさん

2006年の年間最優秀作品賞を受賞された『Storywriter, Poemwriter, Songwriter, Hatenanikki』には圧倒的な世界観と、巧みな機知を感じました。『千の滅びの歌』も力のある詩だと感じました。

丘 光平さん

きれいな作品で、言葉に無駄がなく、それでいて情感の響く詩でした。

中村梨々(riala)さん

シュールな作品です。でも単にシュールなだけでなく、胸に響く真実味のようなものを感じました。
『指鳴り』の「からから……」という表現が強烈でした。

苺森さん

シュールな雰囲気もありつつ、何を詠んでいるのかわからない、不思議な詩なのですが、平易な言葉で構成されているからか、とても読みやすいです。

宮下倉庫さん

とても完成度が高く、それでいて遊び心を含んだ作品だと感じました。

Arさん

きれいな作品で、寂寥感があって、好きになりました。

ふるるさん

『「ゆうろさん」』はシュールですが、面白かったです。

草野(草野大悟)さん

きれいで、わかりやすく、素直に感じ入ることができる作品でした。

一条さん

殿堂入りされた御方。ケムリさんの年間総評を読んで、この方が評価されているのは、発起人諸氏の批評の及ばないところにいるからだと推察しました。

作品はシュールなものあり、悲哀を感じさせるものあり、完成された非の打ち所のないようなものがある一方で、未完成な歪さを感じさせるものもありました。
ある種、一つの世界なのだと感じました。


コラムも読み応えがありました。まだ全部に目を通せていませんが。
ケムリさんは「我々が失ってはならないもの。それは『読者』だ」と書かれており、激しく共感しました。