アバター

あなたにだけは知られたくない
 あなたにだけは知ってほしい
  あなたになら教えてもいい

本当の自分を
 現実を生きている私を
  真実、死んでいるような私を

そこにあるのは
薄く、確かな境界線

 一線を踏み越えれば
 二度と元には戻れない

  あなたと私を守る壁を
  壊してしまいたい
  衝動に駆られる

 どうせなら
 あなたとは 別の場所で出逢いたかった

  こんな人がいるなんて
  想像さえもしなかった

あなたと出逢わなければよかった
今は そう思ってる

 何もかも
 打ち明けてしまいそうな衝動に
 いつも抗っている

踏み越えれば
戻れないと知っている

  今日も、壁の手前で
  行ったり来たりしている

  唐突な何かを
  心のどこかで期待しながら

 境界線の後ろに
 真実を潜ませて

今日も私は
自分ではない「自分」を演じる