ある晴れた日に〜映画『おおかみこどもの雨と雪』を観て〜

太陽がだんだんと高く上っていくころ
草むらではバッタやテントウムシが跳ね回り
林ではミンミンゼミが はちきれんばかりに鳴いている

私は鍬を振るう手を休めて 汗をぬぐった
もうすぐ 秋作の植え付けの時期だ

昼前に、郵便配達のおじさんがやってきた
娘が都会の大学に出てはや四か月
なんでも夏休みを利用して、初めての海外旅行を満喫しているようだ

私は二十年ほど前を懐かしく思った
娘にも、私のように素敵な出会いがあるといいのだけど。

夜、
一人分の食事を居間に運び
今は亡き夫の遺影に語りかけながら
少しだけ お酒を飲んだ

今夜は月が明るい

遠く山の方から
オオカミの遠吠えが聞こえてきて
私はうれしくなった