私の戦うべき場所

二度目のオーディションの通知を開いて
また閉じて
私は宙を見上げて
大きなため息をついた。

失望と落胆
悔恨と
少しの安心

自分を試したかった
何が成せるのか 知りたかった
でも
その舞台にすら立てなかった

太陽は
今日もフォルティッシモで輝いている

日曜日の教会から、
子どもたちの合唱の声が聞こえてきた。

いつからか
受け入れ始めている自分がいた

気づかされた。
いや、もしかすると
初めから 悟っていた

私の戦うべき場所はここではない、と。

私にはもう、
才能を試す猶予なんて、なかったんだと。

ただ、
それを確認するためだけの
作業だったのかもしれない。

私は、
はがきをビリビリと破いて
ゴミ箱へ捨てた

そしてキュッと口を固く結んで
階段を駆け下りた

本来いるべき
自分の戦場に帰るために

諦めることで
前に進むために