夢のカタチ

子どもの頃、夢を語る友だちがいた。
僕には、語るべき夢はなかった。

それは あまりにあいまいすぎた

僕には 目の前にあるものしか見えてなかった。
目の前の目標だけを 懸命にクリアしてきた。

  進学校に入ったから、大学に入った。
  研究者になりたくなかったから、会社に入った。
  そして、ただひたすら働いた。

遠い昔
どこかに置いてきた夢を
ある日 偶然に見つけた

「色んなことを試したとして、最後まで残ったものが、自分にとって本当に大切なものだ」

誰かがそんなことを言った

どこかに置いてきたんじゃなくて
最初から「ここ」にあったんだろう

ただ 見えなくなっていただけで。

もの言わぬそれは
ずっと、僕を待っていてくれた。

もしも、まだ間に合うのなら
置き忘れた夢を
少しずつでも
カタチにしていこう

子どもの頃に 帰れなくても
誇りを持って 語れるように

最後に残った
この夢のカタチを