2015-08-01 夏の日 詩 ショートショート 「川を渡ろう」 夫が手招きする。 私は目を見張りつつも、差し伸べられた手をとる。 夫が淵に進んでいく。ねえ、と声を掛けるが止まらない。 夫は肩まで川に浸かり、頭を沈めた。 私は手を振り解こうとするが、できない。 苦しい。息ができない。 ブラックアウト。 目を覚ますと、二人は安らかな世界にいた。 私たちは顔を見合わせて、笑った。