2015-08-04 マリアージュ 詩 あなたと、わたし 別々の 役割を持って 同じ台地に 生を享け 暖かい海に この身を捧げる ああ、やっとひとつになれたね 灼熱のマグマで どろどろに融け合い 互いの境界線さえ 失った ――ラストダンス 誰かと誰かを結ぶため。 「踊ろうか」 彼の言葉に、私は耳を疑った。 そんなことを言う人ではなかった。 私は慌ててワインを喉に流し込み、席を立った。 彼と私の、初めてのダンスだ。 その後ろで、両手いっぱいの花束が用意されていたことなど、知る由もなかった。