マリアージュ

あなたと、わたし
別々の 役割を持って
同じ台地に 生を享け

暖かい海に
この身を捧げる

ああ、やっとひとつになれたね

灼熱のマグマで
どろどろに融け合い
互いの境界線さえ 失った

――ラストダンス

誰かと誰かを結ぶため。


「踊ろうか」

彼の言葉に、私は耳を疑った。
そんなことを言う人ではなかった。

私は慌ててワインを喉に流し込み、席を立った。

彼と私の、初めてのダンスだ。

その後ろで、両手いっぱいの花束が用意されていたことなど、知る由もなかった。