「創る」人〜 #twnvday 「つくる」より〜

　どういうことだ。

　文也は混乱していた。
　怜と二人で、たった今、学校近くの交差点で、トラックに轢かれる紗花を見たはずだった。
　なのに、マンションの前まで戻っている。

「あれ、君は覚えているのか。三十分ほど時間を巻き戻したのだけど」
　隣の怜が「また」意味不明なことを言った。
　左手の時計を見ると、7時45分――確かに家を出たばかりの時刻だった。

「どうやら君は僕が創った人間の中でも、出来がいいらしい」
「お前、まさか……本当に、神様なのか？」
　最近になって、怜はこういうわけのわからないことを言うようになった。文也はこれまで全く相手にしなかったが、今後は態度を改める必要があるかもしれない。

「説明は後だ。――さあ、急ごう。あの交差点へ」
「お、おい。待てよ」

　怜が言って、走りだす。
　文也は慌てて後を追った。

タイトルの通り、#twnvday (ツイノベ)の今日のお題「つくる」より。
140字に収まらなかったので、こちらで。
何かの物語の一部のようですが、前後は今のところ未定です。